襲の色目

■配色-1■

気に入った色を着た場合に、それと何を組み合わせるか、悩んだことが必ずあると思います。赤や黄色など、比較的「派手」といわれがちな色が敬遠される理由のひとつに、合わせづらい、というものがあります。
特に日本人は、同系色の組み合わせは得意ですが、反対色やインパクトのある 組み合わせは不得意と言われていますが、昔の人達、特に平安時代の貴族の間では、「襲色目」と言って、着用する衣服の表の色と、裏の色の組み合わせに工夫を凝らし、四季折々の美しさを演出して楽しんでいたと言われています。
kasaneその組み合わせは大変美しく、また意外性やインパクトのあるものも多く含まれており、遊び心や自由な感性を感じさせます。 本来はそういった色の合わせもできるし、好きだったのではないかと思うんですね。ところがその後、江戸の時代に繰り返し「奢侈禁止令」が発令されました。
これは、庶民が贅沢、お洒落をすることを禁止し、その中で生活に使う色を制限するという内容で、庶民に許された色は「藍色、鼠色、茶色」の3系統と言われています。

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