無難な色

赤や紫、鮮やかな色は支配階級の独占色で、使用することを許されませんでした。kinjiki
おそらくこのあたりから、「無難な色」=「紺、グレー、茶」という意識が生まれたのかなとも思います。
日本で「藍色」が発達したのもその背景があり、許された少ない色の中で工夫を凝らしたことが伺えます。
「無難」というイメージが強いため、よくリクルートスーツなどに使用されることが多いのもわかりますが、この色達、間違って使うと、とたんに貧相で、地味な感じになってしまいます。

禁止令に使われたぐらいですから、あたりまえと言えばあたりまえ。 もちろん、上手く組み合わせると、そんなイメージには見えないんですけどね。その後、禁止令が解かれ、たくさんの色を使用することを許され、今に至りますが電車の中のサラリーマンの方々のスーツ姿を見るとき、まだ「禁止令」が生きているような、そんな気がするのは私だけでしょうか。

開放された現代なのですから、明るい色をもっと上手に使ったり、モノトーンを効果的に使うこと、もっと考えてもいいのではないかと思います。私のアンケートなどにいただく「好きな色」の中に、モノトーンや紺などが多い理由のひとつに、「他の色と合わせやすいから」というものが多く来ますが、はたして本当にそういった色は合わせやすいのでしょうか?
「合わせやすい」ということと「無難」ということをはき違えている方が多くいるような気がするのです。

関連記事

PAGE TOP