人それぞれの色の感じ方

icon_94_10好きな色・嫌いな色アンケート集計総評icon_94_10

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icon_94_16人それぞれの色の感じ方icon_94_16

今回、皆様にご協力をいただきまして、「好きな色・嫌いな色とその理由」を書いていただきました。

あえて、色見本を作らず、自由に思ったことを書いていただきましたので、その色に対する連想は、思い浮かべる色によって微妙に違うと思います。例えば、「ピンク」と言っても、人によっては様々なピンクを思い浮かべたのではないでしょうか。そのため、理由が多岐に渡り、「黒」や「白」のようにはなかなか固まらなかったと思います。

しかし、それを考慮に入れても尚、色のイメージ的にはずれたものではありませんでした。皆さんが色々な感情を抱いて、日頃色を見ていることがよくわかる結果と思います。好きな色も嫌いな色も基本的に感じるイメージは同じですが、それを心地よく思う人と、思わない人がいるということ。「明るい」から好きなのと、「明るい」から嫌い、という違いが表れているのですね。

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icon_94_16色々な個性を持つ色達icon_94_16

それで言うと、「青」は、あまり嫌われないタイプと言えるでしょう。そして何故か人気のないのが、「紫」や「緑」。好き嫌いがはっきりとわかれるのが、「ピンク」のようです。「オレンジ」や「黄色」も人気がありながら、嫌われもする、いわば個性的なタイプと言えますね。

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icon_94_16ピンクという色icon_94_16

さて、好きな色でベスト3に入り、嫌いな色では1位に輝いてしまった「ピンク」について、少しお話したいと思います。

この色については、実際の診断前のカウンセリングに置いても、よく選ばれる色のひとつで、良くも悪くも「気になる色」と言えましょう。

対象の多くが女性であったこと、また、比較的若い層の方に多く選ばれることが多く、私の所見で判断させていただくと、この色はいわゆる「女性」を深く表す色だと思うのです。

例えば、「ピンク」が嫌いと言った理由が「女を売りにしているようなかわいいだけの感じが嫌」と言う方がいても、本当の気持ちはそうではないことがあります。近くにかわいらしい、女性らしい魅力で人気の人がいる場合や、自分はかわいいと言った感じではないのではないかと思っている場合など、反発するように「女女していて嫌い」と言った言葉が出て来る方がいます。でも、その方が実は「甘いピンク」がお似合いだとなると、以外と簡単にその色を受けとめてしまうのです。つまり、嫌いという気持ちの中に、若干の憧れにも似た感情が入っていることがあるのです。

それから、もうひとつは年齢との微妙な関係があります。特にお若い方に多いのが、かわいらしいピンクは嫌い、という意見ですが、これにはどうも大人の女へと変化していく成長課程に関係があるような気がします。かわいらしいピンクは「女の子」であって、「女」ではないという感情です。

好きな理由と嫌いな理由の「かわいらしい」「女の子らしい」という言葉の通り、この色は、「かわいい」でも「女らしい」でもありません。そこに微妙な気持ちの表れがあります。それは自分の中にある、甘さや子供っぽさへの反発とも思われ、その部分を必要以上に嫌う傾向があるようなのです。本当の「大人の女」は、かわいらしいピンクに対してもあまり反感を抱きません。それは自分の中にはそれに反発するものがないからであり、そういう甘さも受けとめるキャパがあるからなのでしょう。色々な経験を経て、成熟した女になった頃、また甘いピンクを好きになる時期が来る方も多いようです。

他にも要素は色々ありますが、ピンクはどうしても女性のイメージがつきまとうようです。ならば、素敵な貴女がピンクを着れば、ピンクは素敵な女性のイメージになっていくはず。女性の皆様、心してピンクを着こなしましょうね。

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icon_94_16似合うから好き?icon_94_16

次に特筆したいのが、どちらの理由にも圧倒的に「似合うから」「似合わないから」という理由が多かったことです。似合う色を見つけよう、というサイトですので、そういう関心の高い方が多かったのかなとも思いますが、やはり皆さん日頃とても気を配っている方が多いと言えると思います。逆に似合うと言われてその色が好きになった方も多いですし、カラー診断を受けられた方でも、最初は嫌いな色にあげられていた色でも、自分に似合うことを納得されると、帰るときには嫌いだったことをすっかり忘れていたという方もいらっしゃいます。

それは、もちろん似合うと言われれば嬉しいし、似合わないと言われれば敬遠してしまうこともあるでしょうが、もうひとつに何度も言ってますのでしつこいでしょうが、色の合わせ方にも原因があると思うのです。

配色例を紹介する内に、色の見方が変わってしまい、嫌いだった色を好きになる方も多くいらっしゃいます。

「色のレッスン」でもご説明していますが、合わせる色によって、色は様々な顔を見せてくれます。その色を最大限に生かす色と組み合わせてあげれば、どんな色もステキになる要素は持っている訳です。逆に他の色にはぴったりでも、その色には全く合わないこともある。もし、嫌いな理由が「あわせづらい」というものだけだったら、どうかその色のベストマッチングを見つけてあげて、心が欲している色を嫌いにならないであげてほしいなと、思います。

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icon_94_16何で好きなんだろう?icon_94_16

最後に、私はよくカウンセリングの段階で、好きな色や嫌いな色、理想の女性のタイプや嫌いなタイプなどをお伺いしますが、その時に、好きな色と理想のタイプ、嫌いな色と嫌いなタイプのイメージが、ぴったりと重なることがよくあります。本人は意識せずにお話して下さっていると思うのですが、特別な理由やトラウマを持っていない限りは、ほとんどと言っていいほど心理的に重なるのです。そこから言えることは、今好きと思う色(似合う似合わないは関係なし)や嫌いと思う色の理由を考えることが大切ということです。

ほとんどの方は、好きな色を聞くとすぐに答えられますが、理由を聞くとう〜んとしばらく考えてしまいます。なかなか言葉が見つからないような場合には、「では、その色を見たときにどんな感じがしますか?爽やかな感じですか?それともほっとする感じですか?」と問いかけますと、「ああ、すっきりとした感じがします。それで・・・」と言葉が出て来ます。

言葉の連想時間には個人差がありますので、ゆっくりの方はゆっくりでいいのですが、必ずちゃんと考える事が大切なのです。

そうすると今、自分が望んでいるものや、足りない物が見えてくることがあります。

逆に嫌いな理由は、割と簡単に出てくることが多く、その答えも具体的な表現になることも多くあります。その場合には、自分の中にそういった要素が無いかどうか、思い当たる節があるのならば、そこにコンプレックスを抱いていないかどうか、考え過ぎではないか、と言った点も考えてみるといいかもしれません。

それから、ときどき「子供の頃、母親が無理に着せた色だから嫌い」という人がいます。

「本当は着たくなかった、でも母親にほめられたくて、期待を裏切りたくなくて、我慢して着ていた。だから今はその色を見たくもない」といった理由をお話になります。

逆に「母親がよく着せてくれた色だから、懐かしくて、やさしい気持ちになる」と言う方もいます。

この差はどこから出てくるのか、私には専門外で断定的なことは言えませんが、ひとつだけ確かなのは、大人になってもその影響が尾を引く可能性があるということでしょう。

できるなら、親から見て、この色がいいんじゃないかと思っても、必ずお子さんに相談して欲しいなと思います。「どれがいい?」と聞くだけでいいのですから。

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icon_94_16ご協力、ありがとうございましたicon_94_16

大変長くなってしまいましたが、アンケートの結果を振り返って、非常に私にとっては興味深いものとなりました。やはり今の、生の声を聞くことができるのは、ネットならではの恩恵ですね。アンケートにご協力いただいた皆様、大変ありがとうございました。

今後も皆様の声をできるだけ聞かせていただいて、様々な面に生かすことができればと思っています。

今後のアンケートの予定としまして、皆様から要望の多い「色彩心理」について、新しい試みを始めたいと思っていますので、またまた皆様どうぞご協力をお願いいたします。

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*注*このアンケート集計結果は2008年ころのものです。

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